わたくしは九州生まれの九州育ち。
天気予報などでは九州・沖縄地方は一括りですが、さすがに海を隔てているだけあって、沖縄は九州にいては計り知れなかった独特の文化や風習があります。
こちらに来て数日ではありますが、とっても気になるものを発見したので調べてみました。
「石敢當」って何?
沖縄の街を歩いていると、あちこちで「石敢當」と書かれた石碑のようなものを見かけます。
民家の塀の下の方や交差点、お店とお店の間などあちこちに設置されているようです。
初めはお地蔵さんを見る感覚で捉えていたのですが、国際通りで見かけた時には、「こんなところにこんなにいっぱいお地蔵さんは置かないよね。」と不思議な感覚になってしまいました。
ストリートのブロックごとに見かけるし、石碑だったり石のプレートで塀に埋め込まれていたりとスタイルも様々。
とっても気になります。
「石敢當」の正体
「石敢當」とは「いしがんどう」と読み、魔除けの石碑とのこと。
中国発祥の風習で14〜15世紀ごろには日本に伝来してきていた模様です。
沖縄を中心に周辺諸島や九州にも「石敢當」の風習があり、中でも沖縄に最も多く設置されており、およそ10000基ほどが確認されています。
「石敢當」という名前は、後漢時代の武将や力士の名前が由来とされる説や、自然や全てのものに神が宿るという信仰による、石の神様に由来する説もあり定かな説は確証されていないそう。
魔除けだったとは。
九州にもあるそうだけど、一度も見たことがありませんでした。
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「石敢當」が除けている「魔」の正体
「石敢當」が除けている「魔」とは、「マジムン」という魔物。
マジムンは沖縄で信じられている魔物や悪霊の総称で、形や種類は様々なものがあります。
赤ん坊や牛、豚や幽霊、しゃもじの形のマジムンもいるそうで、動物の形のマジムンに股をくぐられると死ぬという言い伝えがあります。
マジムンは直進しかできないので、T字路や三叉路を直進して突き抜けて家の中に入ってきたり、ぶつかって反対の家に入ってきてしまいます。
そこで活躍するのが、魔除けである「石敢當」という訳なのです。
マジムンは石敢當に当たると砕け散ってしまうとのこと。
なるほど。どうりでそういうポイント付近に設置されているはずです。
石敢當とシーサーで魔除けは完璧
沖縄に来て生まれて初めて目にした「石敢當」。沖縄では魔除けとして重要な役割を持った大切なものでした。
沖縄で魔除けといえばシーサーが有名ですが、これに石敢當も加えれば鬼に金棒ですね。
大きすぎる自然に囲まれた沖縄ならではの大切な風習です。
大昔から自然と共存してきた本来の人間の生き方としては、沖縄だけでなく現代人が守らなくてはならないルールを改めて感じた気がしました。
目に見えない神や魔物を信じ、目に見えない礼節を守る。
それが自然を大切にして生きるという本当の意味のような気がします。
伶花